ロール/ピッチ
磁気方位を必須とせず、動いている機体の傾き・姿勢を推定します。
IMU・イナーシャセンシング
MEMS計測と型式ごとの推定・GNSS/外部補助機能で、機体・車両・ロボットに必要な姿勢・方位・航法情報へ
MicroStrain by HBKの慣性センサは、個体校正・温度補償されたMEMS、適応型拡張カルマンフィルタ(EKF)、時刻管理、外部補助情報やGNSSを組み合わせ、実機で利用しやすい姿勢・方位・航法情報へ変換します。
製品選定
シリーズの上下ではなく、必要な出力と実装条件から選びます。選定結果は候補であり、最終仕様は使用環境と外部機器を確認して決定します。
磁気方位を必須とせず、動いている機体の傾き・姿勢を推定します。
IMUと磁力計などを統合し、3軸姿勢と方位を推定します。
既存GNSS等の位置・速度情報を補助情報として利用します。
GNSS受信機とIMUを統合し、位置・速度・姿勢を扱います。
車両の加減速・振動中に傾斜を推定します。
出力の広がり
AR / VRU、AHRS、INS、GNSS/INSは性能順位ではなく、必要な出力と利用する補助情報が異なります。図は役割の広がりを示す概念図です。

移動体用途
姿勢だけが必要か、方位や位置まで必要かで、AR / AHRS / INS / GNSS/INSの選択が変わります。

倉庫内の移動制御や自己位置推定で、慣性情報をLiDARなどと組み合わせる用途。

機体の姿勢・方位・航法情報を制御やミッションへ利用する用途。

加減速や振動がある走行・作業中に、ロール/ピッチを扱う用途。
掲載画像は技術・用途の理解を助ける生成イメージです。実製品写真、実顧客設備、実導入事例ではありません。
5つの強み
センサ素子だけでなく、校正、推定、時間、実装、開発環境までを一つのシステムとして考えます。
温度や個体差によるMEMS誤差を補償し、実際の使用環境で安定した計測を支えます。
誤差特性の異なる加速度・角速度・磁気・GNSSなどを、用途に応じて統合します。
更新レートだけでなく、計測時刻と外部機器との時間整合まで扱います。
CV7 / GV7 / CX7 / MV7 / GQ7から、組込み・フィールド・車両・GNSS/RTK航法など、必要な出力と搭載条件に合う形態を比較できます。
設定ソフト、API / SDK、ROSやPX4などを、対応製品・バージョンに合わせて利用できます。
技術解説
AR / VRU、AHRS、INS、GNSS/INSは似て見えても、得られる情報と使い方が異なります。まず用語の全体像を確認し、各技術がどんな課題に向き合い、MicroStrainがどう対応し、現場でどう役立つかを順に解説します。
温度と個体差で変化するMEMSの誤差を製品ごとに補正し、使用環境が変わっても安定した出力を支えます。
MEMSのオフセットや感度は温度や個体差で変化します。環境変化をそのまま受けると、姿勢・航法誤差が増えやすくなります。
製品ごとに校正・温度補償に関する仕様が示されています。必要な温度範囲と補償条件を型式単位で比較します。
屋外・車両・機械など温度が変化する環境でも、姿勢・航法誤差の増加を抑えやすくなります。
特性の異なるセンサ情報を適応型拡張カルマンフィルタ(EKF)へ入力し、用途に必要な姿勢・方位・航法情報へ統合します。
加速度計は重力と機体の加減速を同時に測ります。ジャイロの誤差は積分によって蓄積します。
適応型EKFで異なるセンサ情報を統合します。図は状態数や内部アルゴリズムを示すものではありません。
旋回・加減速・GNSS状態変化がある環境で、用途に必要な状態量へ変換できます。
利用できる補助情報は製品によって異なります。
高い更新レートだけでなく、複数センサの計測時刻を同じ時間軸へそろえることが、統合結果を扱いやすくする鍵です。
更新レートが高くても、外部センサと計測時刻がずれると統合結果は悪化します。カメラやLiDARとの時間整合も重要です。
対応製品で高速出力、内部時刻管理、外部同期、イベントトリガを組み合わせます。同期方式は製品ごとに確認が必要です。
値と時刻を対応させ、制御・SLAM・マルチセンサ統合へ使いやすくします。
対応する同期方式・端子は製品ごとに異なります。
2つの方位取得方法には、それぞれ異なる環境条件と実装条件があります。優劣ではなく、用途に合う方式を選びます。
磁力計は周囲の磁気環境の影響を受けます。2アンテナGNSSはアンテナ設置・受信条件が必要です。
AHRSの磁力計方位と、GQ7の2アンテナGNSS方位を用途で選び分けます。図は実製品のアンテナ配置を模倣していません。
小型構成と磁気外乱に依存しにくい構成のトレードオフを明確にできます。
GNSS単独とRTK補正を利用する構成の違いを、位置点のばらつきとして概念的に示します。実際の測位性能は、補正状態、衛星配置、アンテナ環境、マルチパスなどの条件に依存します。
高精度測位は補正情報、衛星配置、アンテナ環境、補正状態に左右されます。遮蔽条件も結果へ影響します。
対応GNSS/INSで複数周波数とRTK補正を慣性情報へ統合します。対応範囲は製品仕様の確認が必要です。
成立条件を満たすと、移動体の高精度な位置・姿勢推定を構成できます。
RTKの精度は補正状態、衛星配置、アンテナ設置、遮蔽などの条件に依存します。
振動の大きい環境では、製品名や最大出力レートだけでなく、入力レンジ、センサ帯域、フィルタ、取り付け、必要な推定状態を分けて確認します。
振動・衝撃・動的加速度はraw加速度/角速度と姿勢・航法推定へ異なる形で影響します。センサ飽和、エイリアシング、取り付け共振も分けて考える必要があります。
現行製品は用途に応じてレンジ、出力、フィルタ、推定機能を選定します。CX7型式固有の内部構成は、現在のメーカー資料を確認できるまで断定しません。
「振動対策製品」という一言ではなく、実際の振動帯域と必要な姿勢・航法情報から、センサと実装条件を比較できます。
走行中は重力と加減速が同時に計測されます。ジャイロと推定処理を組み合わせ、動的なロール/ピッチを求めます。
走行中は重力と加減速が加速度計に同時に入ります。静的傾斜計と同じ方法では正しい傾斜を求めにくくなります。
MV7-ARはジャイロと適応型EKFを用いて動的なロール/ピッチを推定します。内部アルゴリズムは図示していません。
建機・農機を停止させず、走行・作業中の傾斜を制御や状態把握へ利用できます。
フィールド用途
建設・農業・産業機械では、振動、加減速、設置条件を含めてセンサと実装形態を選びます。

傾斜地や不整地で、車体・作業機の姿勢を制御や安全監視へ使う用途。

圃場を走行する車両の姿勢や進行状態を自動化へ利用する用途。

機械振動が姿勢・航法推定へ与える影響を考慮して構成する用途。
掲載画像は技術・用途の理解を助ける生成イメージです。実製品写真、実顧客設備、実導入事例ではありません。
シリーズガイド
C-Seriesの標準V系列。38 × 24 × 8.6 mm、8.3 gの小型外形で、ロボット、UAV、OEM機器への組込みに適します。
G-Seriesの標準V系列。屋外や車両など、保護筐体を別途設計しにくいフィールド用途へ。
CV7と同じC-Series外形・重量で、高性能X系列の慣性センサと4重冗長IMU構成を採用。振動・衝撃が厳しい組込み用途へ。
建機・農機・オフハイウェイ車両の走行中傾斜へ。
RTKと2アンテナGNSS方位を利用するGNSS/INSです。方位性能はアンテナ間ベースライン、GNSS受信環境、設置条件などに依存します。
V系列は標準センサ、X系列は高性能センサを採用します。CV7とCX7は同じC-Seriesの小型外形で、CX7は高性能センサ/冗長IMU構成によって振動・衝撃環境での測定安定性を高めたモデルです。G・M・Q系列は筐体や用途、GNSS機能などの違いで選びます。
現行製品
現在取り扱っているMicroStrain慣性センサ12製品を、必要な出力と実装形態から比較できます。新規選定ではこの一覧を中心に確認し、旧製品の情報は既存ユーザー向けとして別にご案内します。
VRU/姿勢基準
加速度と角速度からロール・ピッチを推定する、TTLシリアル/USB接続の組込み型垂直基準センサです。小型機器や移動体へ組み込み、磁気方位を使わずに姿勢を監視できます。
VRU/姿勢基準
加速度と角速度からロール・ピッチを推定する、RS-232/USB接続の筐体型垂直基準センサです。車両や移動体で、磁気方位を使わずに傾斜・姿勢を連続監視できます。
VRU/姿勢基準
厳しい車両環境で動的傾斜を安定して計測するタクティカルグレードVRU
加速度と角速度から動的なロール・ピッチを推定し、SAE J1939で出力する堅牢な車載向けVRUです。建機・農機・トラックなどの傾斜・姿勢監視に適します。
AR / VRU
磁気方位に依存せずロール/ピッチを推定する、高性能X系列の組込み型AR / VRUです。CV7と同じC-Series小型外形を採用します。
AHRS
加速度、角速度、磁気からロール・ピッチ・方位を推定する、TTLシリアル/USB接続の組込み型AHRSです。小型機器や移動体へ組み込み、姿勢・方位を連続取得できます。
AHRS
加速度、角速度、磁気からロール・ピッチ・方位を推定する、RS-232/USB接続の筐体型AHRSです。車両や移動体の姿勢・方位計測を、堅牢な筐体で連続して構成できます。
AHRS
3軸磁気センサを統合し、ロール/ピッチと絶対磁気方位を推定する、高性能X系列の組込み型AHRSです。CV7と同じC-Series小型外形を採用します。
INS
慣性センサに外部GNSSや速度などの支援情報を融合し、位置・速度・姿勢を推定するTTLシリアル/USB接続の組込み型INSです。移動体のナビゲーション用途に適します。
INS
フィールド搭載向けの堅牢型INSです。外部GNSSなどの補助情報を利用し、姿勢・速度・位置の推定に対応します。
フィールド搭載向けの堅牢型INSです。外部GNSS等の位置・速度・方位情報を補助入力として利用し、屋外・車両用途の姿勢・速度・位置推定に対応します。
GNSS/INS
慣性センサとGNSS受信機を統合し、RTK補正入力にも対応するTTLシリアル/USB接続の組込み型GNSS/INSです。小型移動体の高精度な位置・速度・姿勢推定に適します。
GNSS/INS
RTKと2アンテナGNSS方位を扱うGNSS/INS。精度は成立条件に依存します。
RTKと2アンテナGNSS方位を利用できるGNSS/INSです。位置・方位性能は、補正状態、衛星配置、アンテナ間ベースライン、設置精度、マルチパスなどの条件に依存します。
INS
外部GNSS、車体座標系速度、方位などの補助情報を融合し、位置・速度・姿勢を推定する、高性能X系列の組込み型INSです。
公開事例
メーカー、顧客、公的機関、研究機関が公開した情報を、技術解説とは分けて紹介します。Libero-Alterの導入実績を示すものではありません。
Mälardalen University
不整地UGVのロール・ピッチをIMUで推定し、長距離LiDARを2自由度ジンバルで能動安定化する研究です。公開資料では特定のMicroStrain型式を確認できないため、関連研究として紹介します。
Google DeepMind関連研究
Google DeepMindのProc4Gem研究では、Barkour四足歩行ロボットへ視覚・慣性センサを搭載し、言語で指定された対象物を実環境で押して移動させる視覚・言語・全身制御を評価しています。
BETA Technologies
BETA TechnologiesのeVTOL試作機で、振動・ひずみ・温度をワイヤレス計測し、3台のGX5-25からピッチ、ロール、角速度を飛行制御へ入力したメーカー公開例です。
東京工業大学
DELTA型パラレルロボットを対象に、球面対偶のすきまによる接触・衝撃が出力リンクの加速度変動と振動挙動へ与える影響を解析し、実機計測と比較した研究です。
Carnegie Mellon Universityほか
DJI Matrice 100を用いた配送ドローン研究で、位置・速度・姿勢、風、電圧・電流などを多数の自律飛行から収集し、配送飛行の性能・エネルギー解析用データセットを構築しています。
U.S. Engineer Research and Development Center
GNSSが使えない不整地を長距離走行する8輪UGV向けに、車輪オドメトリ、複数IMU、LiDAR、カメラ、地形照合を組み合わせた頑健な自己位置推定システムTRAELSが開発されています。
比較
モバイルでは表を横方向にスクロールできます。各セルは記号だけでなく文章で意味を示しています。
| 製品 | 役割 | 主な出力 | 方位 | GNSS・外部補助 | 実装 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3DM-CV7-AR | AR / VRU | ロール/ピッチ | 方位を必須としない | GNSSを使用しない | 小型・組込み |
| 3DM-GV7-AR | AR / VRU | ロール/ピッチ | 方位を必須としない | GNSSを使用しない | フィールド向け |
| MV7-AR | 車両用AR / VRU | 走行中の動的傾斜 | 方位を必須としない | GNSSを使用しない | 車両向け |
| 3DM-CX7-AR | AR / VRU | ロール/ピッチ | 方位を必須としない | GNSSを使用しない | 高性能X系列・小型組込み |
| 3DM-CV7-AHRS | AHRS | ロール/ピッチ/方位 | 磁力計方式 | GNSSを使用しない | 小型・組込み |
| 3DM-GV7-AHRS | AHRS | ロール/ピッチ/方位 | 磁力計方式 | GNSSを使用しない | フィールド向け |
| 3DM-CX7-AHRS | AHRS | ロール/ピッチ/方位 | 磁力計方式 | GNSSを使用しない | 高性能X系列・小型組込み |
| 3DM-CV7-INS | INS | 位置・速度・姿勢 | 構成に応じて利用 | 外部GNSS等を利用 | 小型・組込み |
| 3DM-GV7-INS | INS | 位置・速度・姿勢 | 構成に応じて利用 | 外部GNSS等を利用 | フィールド向け |
| 3DM-CV7-GNSS/INS | GNSS/INS | 位置・速度・姿勢 | 製品構成を確認 | GNSS受信機を統合 | 小型・組込み |
| 3DM-GQ7-GNSS/INS | GNSS/INS | 位置・速度・姿勢 | 2アンテナGNSS方式 | GNSS受信機を統合 | GNSS/INSパッケージ |
| 3DM-CX7-INS | INS | 位置・速度・姿勢 | 構成に応じて利用 | 外部GNSS等を利用 | 高性能X系列・小型組込み |
シリーズは性能ランキングではありません。RTK、方位、GNSS補助、環境性能、ソフトウェア対応は、製品・構成・バージョン・運用条件ごとに公式資料で確認してください。
ソフトウェア
対応製品、OS、ファームウェア、接続方法は製品・バージョンごとに確認します。InertialConnectはベータ版です。
共通ソフトウェア
製品ごとに同じ名称を繰り返さず、設定・収録・組込みで使う共通ツールをここにまとめています。対応範囲は製品・ファームウェア・接続方法により異なります。
慣性センサのパラメータ設定、ファームウェア更新、設定ファイル展開、時系列・位置・状態の可視化に使用します。
InertialConnectを見る →
ワイヤレス機器と慣性センサの設定、制御、データ収録、グラフ・ダッシュボード表示を行うデスクトップツールです。
SensorConnectを見る →
C++、Python、.NET等からセンサを操作し、独自アプリケーションや組込みシステムへ統合するための開発ライブラリです。
API / SDKを見る →InertialConnectはベータ版です。各ツールの対応製品・対応版・利用条件は対象製品の現行仕様で確認してください。
よくある質問
AR / VRUは主にロール/ピッチを得る用途で、磁気方位を必須としません。AHRSは磁力計などの方位情報を加え、ロール/ピッチ/ヨーを扱います。磁気外乱が大きい環境では方位方式を別途検討します。
INSは外部GNSSなどの補助情報を利用する構成を含みます。GNSS/INSはGNSS受信機と慣性情報を一体で扱います。対応入力と構成は製品ごとに確認します。
どちらも標準V系列の慣性センサを使う製品群です。CV7は38 × 24 × 8.6 mm、8.3 gの小型C-Series組込み型、GV7は屋外・車両などのフィールド搭載を想定した堅牢G-Seriesです。必要な出力に加え、筐体・設置環境で選びます。
CX7はCV7と同じC-Seriesの小型外形・重量を維持しながら、高性能X系列の慣性センサと4重冗長IMU構成を採用します。振動・衝撃が厳しい環境や、より高い測定安定性が必要な組込み用途で比較します。
CV7-GNSS/INSは小型OEM実装、GQ7はRTKと2アンテナGNSS方位を含む構成が選定軸です。RTKの結果は補正状態、衛星配置、アンテナ環境などの成立条件に依存します。
同じではありません。磁力計方式は磁気環境、2アンテナGNSS方式はアンテナ配置とGNSS受信条件の影響を受けます。用途と設置条件で選び分けます。
いいえ。慣性情報はGNSSを補完しますが、GNSS途絶の影響をなくすものではありません。継続時間、運動、初期条件などで結果が変わるため、運用条件を確認します。
センサ、カメラ、LiDAR、GNSSは更新周期や遅延が異なります。値と計測時刻を対応させ、統合システム全体で評価する必要があります。
すべての製品で共通ではありません。対応製品、ドライバ、OS、ファームウェア、接続方法のバージョンを個別に確認します。InertialConnectはベータ版です。
技術相談
「ARとAHRSの違いが分からない」「既存GNSSを使いたい」「振動が大きい」「RTKが必要」という段階から相談できます。搭載環境、必要な出力、制御周期、外部センサを確認して候補を整理します。
慣性センサの選定を相談する →