WIRELESS GUIDE
SensorConnectの使い方|MicroStrain初回接続からCSV出力まで
MicroStrain SensorConnectでWireless製品を接続し、入力確認、短時間収録、Range Test、保存、CSV出力まで進める基本手順を解説します。
MicroStrain製品で初めて計測するときは、最初から多くのノードやチャンネルを動かすより、まず1台で「接続・入力・収録・保存」が正しくできることを確認する方がトラブルを切り分けやすくなります。
このページでは、SensorConnectを使ってMicroStrainのWireless製品を接続し、短時間の収録から保存データの確認、CSV出力まで進める基本的な流れを説明します。
画面の配置や利用できる設定項目は、SensorConnectのバージョンや接続する製品によって異なる場合があります。
このページでできること
基本的な流れは次のとおりです。
機器を認識する
→ 入力条件を確認する
→ 1台で短時間収録する
→ 保存データを確認する
→ 必要に応じて複数ノードへ広げる
→ CSVへ出力する
値が正しく表示されない場合も、この順序で確認すると、センサー入力、無線通信、収録設定のどこに原因があるかを分けて考えやすくなります。
1. 計測前に最低限の条件を決める
SensorConnectを操作する前に、何をどの条件で測るかを整理します。
特に確認しておきたいのは次の項目です。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 測定対象 | 振動、ひずみ、荷重、温度など |
| 使用機器 | ノード、ゲートウェイ、接続するセンサー |
| 入力条件 | 入力種別、レンジ、単位、チャンネル |
| サンプリング | サンプルレート、収録モード |
| 設置条件 | ノードとゲートウェイの位置、アンテナ、遮蔽物 |
| 保存 | 保存先、予定収録時間、必要な空き容量 |
高いサンプルレートを設定すればよいとは限りません。
測定したい現象の周波数帯、使用するセンサー、ノードの仕様、チャンネル数、無線通信量を考えて設定します。
2. ゲートウェイとノードを認識させる
ゲートウェイをPCへ接続してSensorConnectを起動し、使用する機器がDevicesに表示されることを確認します。
Wireless製品では、次の2段階を分けて確認します。
- PCがゲートウェイを認識している
- ゲートウェイが対象ノードと通信できている
ゲートウェイが表示されていても、目的のノードまで通信できているとは限りません。
対象ノードが見つからない場合は、次の項目を確認します。
- ノードの電源状態
- ノードの動作モード
- ゲートウェイとノードの無線周波数設定
- ノードとゲートウェイの距離
- アンテナ周辺の金属や遮蔽物
- Wi-Fiなど周囲の無線機器
- 使用している機種に対応した検索・Discovery機能
複数のノードがある場合は、表示名だけでなく機器の識別情報も確認し、設定するノードを取り違えないようにします。
確認の目安:使用するゲートウェイと対象ノードをSensorConnect上で特定できる。
3. 入力条件を確認する
次に、計測するチャンネルの入力設定を確認します。
設定内容は製品によって異なりますが、代表的には次の項目があります。
- 入力種別
- 測定レンジ
- サンプルレート
- 単位
- フィルター
- センサー感度や校正値
- 励起条件
- 収録モード
ロードセルやひずみゲージなど外部センサーを使用する場合は、SensorConnectの設定だけでなく、センサーの定格、配線、ブリッジ構成、励起条件も一致している必要があります。
既存の設定を変更する場合は、元の設定を保存してから変更すると、比較や復帰がしやすくなります。
確認の目安:各チャンネルが何を、どの単位・レンジ・サンプルレートで測る設定なのか説明できる。
4. まず1台で短時間収録する
設定を確認したら、最初は1台だけで短時間の収録を行います。
SensorConnectでは、接続したノードからサンプリングを開始し、Data画面のグラフや数値表示で測定値を確認できます。
この段階では長時間収録より、入力した変化と表示値が対応しているかを確認することが重要です。
例えば、
- 加速度センサーなら、動かした方向と軸の変化が合っているか
- 荷重なら、負荷を増減したときに値が対応して変化するか
- 温度なら、実際の環境と大きく矛盾していないか
- ひずみなら、無負荷時の値と負荷時の変化を説明できるか
を確認します。
次のような状態がある場合は、長時間収録へ進む前に設定を確認してください。
- 値がほとんど変化しない
- レンジ上限または下限付近に張り付く
- 符号が想定と逆
- 桁が明らかに合わない
- 想定していないノイズが大きい
- チャンネルやセンサーを取り違えている
確認の目安:既知の入力変化とSensorConnect上の変化が対応している。
5. 無線通信状態を確認する
Wireless製品では、センサー入力が正しくても、実際の設置場所で無線通信が安定するとは限りません。
そのため、ノードを使用する位置に配置してWireless Range Testを行います。
SensorConnectの対象ノードからRange Testを開き、ノードとゲートウェイ間の通信状態を確認します。

Range Testは、設置位置を決めるための確認手段です。
特定の画面で高い成功率が表示されたことだけを理由に、実際の長時間収録でデータ欠損が発生しないと判断することはできません。
実際に使用する位置、台数、サンプルレート、通信条件で確認してください。
通信状態が不安定な場合は、
- ノードとゲートウェイの位置を変更する
- アンテナ周辺の金属を避ける
- 見通しを改善する
- 周辺のRF干渉源を確認する
- 無線周波数設定を確認する
といった対策を検討します。
6. 複数ノードへ広げる
1台で入力と保存を確認できたら、必要なノードを追加します。
複数ノードでは、単にすべての機器が画面に表示されているだけでなく、
- 対象ノードがすべて参加しているか
- 各ノードのチャンネル設定
- 各チャンネルのサンプルレート
- 使用する収録モード
- ネットワーク全体の通信量
- 実際の設置場所での無線状態
を確認します。
SensorConnectではWirelessネットワークの複数ノードを同期して収録する機能がありますが、必要な同期精度や対応する収録方式は製品・設定によって異なります。
複数機器のデータを時間軸で比較する用途では、「同時に収録を開始した」ことと「必要な精度で測定時刻が一致している」ことを分けて確認することが重要です。
推奨する進め方
1台で確認
→ 2台で確認
→ 必要台数へ増やす
→ 実際の配置で確認
→ 保存データで時刻・欠損を確認
最初から全台を高いサンプルレートで動かすより、問題が起きたときの切り分けが容易になります。
7. 収録を停止して保存データを確認する
SensorConnectのグラフに波形が表示されていても、それだけでは収録完了とは判断しません。
収録を停止したら、保存されたデータセットを開き直して確認します。
最低限、次の項目を確認します。
- 必要なチャンネルが保存されている
- 収録開始・終了時刻が想定どおり
- 必要な時間範囲がある
- 単位が分かる
- サンプル間隔が設定と矛盾していない
- 明らかなデータ欠落がない
長時間試験を始める前に、数十秒~数分程度の短い収録データを一度保存し、読み戻せることを確認しておくと安全です。
8. CSVへ出力する
SensorConnectでは、保存したデータをCSV形式へ出力できます。
データセット全体だけでなく、必要なチャンネルや時間範囲を選んで出力することもできます。
CSVを作成したら、次の項目を確認します。
収録時間
開始時刻と終了時刻が、実際に収録した時間と一致しているか確認します。
チャンネル
必要な機器、軸、物理量が含まれているか確認します。
単位
加速度、ひずみ、荷重、温度などの単位を確認します。後処理で単位変換を行う場合は、変換前の単位も記録しておきます。
時刻とサンプル間隔
設定したサンプルレートとデータの時間間隔が整合しているか確認します。
異なるレートのチャンネルを同じCSVへ出力した場合、空欄が存在することがあります。
空欄を自動的にゼロへ置き換える前に、その列の出力周期を確認してください。
波形
同じ区間をグラフ化し、SensorConnectで確認した傾向と大きく異なっていないか確認します。
9. CSVだけでなく元データも残す
CSVは解析や他ソフトウェアへの受け渡しに便利ですが、可能であればSensorConnectの元データも保管します。
解析用CSVを加工した場合は、
- 列の削除
- 単位変換
- オフセット補正
- フィルター処理
- 補間
- リサンプリング
など、どの処理を行ったか分かるようにしておくと、後から元データへ戻って確認できます。
計測条件として、少なくとも次の情報を残しておくと再現しやすくなります。
- 使用した製品型式
- 使用チャンネル
- 接続したセンサー
- サンプルレート
- レンジ
- 単位
- 収録モード
- SensorConnectと機器ファームウェアのバージョン
- ノードとゲートウェイの配置
- 収録日時
- 保存したデータセット
10. CV7・GQ7など慣性製品を使う場合
SensorConnectはMicroStrainのWireless製品だけでなく、対応するInertial製品の設定やデータ表示にも使用できます。
ただし、慣性製品ではWireless DAQとは確認すべき内容が異なります。
特に、
- センサー座標系
- 取付方向
- ジャイロバイアス
- 推定フィルター
- Filter State
- GNSSなどの補助観測
- 時刻
- 姿勢・位置の基準
を確認する必要があります。
また、現行のMicroStrain慣性製品ではInertialConnectも案内されています。
慣性製品の初期設定では、対象機種の現行マニュアルとソフトウェア案内を確認したうえで使用してください。
CV7やGQ7の具体的な設定については、各設定記事で詳しく説明します。
うまくいかない場合
問題が発生した場合は、複数の設定を一度に変更せず、
PCとゲートウェイ
→ ゲートウェイとノード
→ センサー入力
→ サンプリング
→ 保存
の順に分けて確認します。
症状ごとの確認方法は「SensorConnect:機器が見つからない・値が出ないときの対処」で説明しています。
参考資料
製品仕様や操作方法は、使用する製品とソフトウェアのバージョンに対応したメーカー資料を優先してください。
- HBK:SensorConnect
- SensorConnect Quick Start Guide
- 各Wireless Node / GatewayのUser Manual
- 3DM-CV7 / 3DM-GQ7など各慣性製品のUser Manual
スクリーンショット内の数値やチェック状態は、操作場所を説明するための表示例です。使用する設定値は、対象製品、接続センサー、計測条件に合わせて決定してください。
原典リンク
- HBK SensorConnect
- SensorConnect Changelog
- SensorConnect Quick Start Guide
- 3DM-CV7 Getting Started
- 3DM-CV7-AR 製品ページ(InertialConnect / SensorConnect案内)
既存の関連ページもあわせて確認
既存の技術解説・ソフトウェア説明と相互に参照できるよう、本番反映時に現在のURLへ接続します。
