MicroStrain 無線DAQ

MicroStrain無線DAQの特長と選び方

振動・ひずみ・荷重・圧力・温度を、無線ノードとゲートウェイで多点同期計測へ。

「無線でデータを送れる」だけでなく、必要なサンプリング、チャネル数、同期、RF環境、ゲートウェイ、データ保存先まで含めて設計することが無線DAQでは重要です。

測定対象から選ぶ

まず「何を測りたいか」から選ぶ

製品名より先に、測定対象と必要な入力から第一候補を整理します。

A

振動・衝撃・動き・傾斜

第一候補 G-Link-200 / G-Link-200-OEM

3軸加速度センサを内蔵し、完成筐体とOEMを選べます。

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B

ひずみ・荷重・圧力・アナログセンサ

第一候補 SG-Link-200 / OEM / V-Link-200

ブリッジ入力、信号調整、チャネル数、組込み形状で選びます。

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C

RTD・サーミスタ・抵抗

第一候補 RTD-Link-200

6チャネルの抵抗式温度計測。単チャネル組込みではTC-Link-200-OEMも比較します。

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D

熱電対・温度

第一候補 TC-Link-200 / TC-Link-200-OEM

12チャネル完成筐体と1チャネル OEMを、熱電対数と実装条件で選びます。

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システム構成

無線DAQは、ノードだけでなく測定チェーン全体で考える

センサ → ノード → 同期無線ネットワーク → ゲートウェイ → 収集・保存・連携の5段階で、必要条件を分けて確認します。

ゲートウェイはハードウェア、SensorConnect・SensorCloud・MSCLは設定・収集・保存・連携を担うソフトウェアとして分けて考えます。

ノード選定

測定対象・入力・実装形態からノードを絞り込む

JavaScriptを利用できない場合も、後段の8製品カードと比較表から同じ候補を確認できます。

質問 1 / 3

Q1何を測りたいですか?

ゲートウェイ選定

データの渡し先でゲートウェイを選ぶ

Q計測データの主な受け渡し先は?

技術解説

無線DAQを、同期・帯域・RF・信号品質から理解する

各技術を「技術上の課題 → MicroStrainの対応 → 現場でのメリット」の順で整理し、成立条件を分けて示します。

01 / 同期計測

異なるサンプリングレートでも共通時間軸へ揃える

振動は高速、温度などゆっくり変化する信号は低速と、測定対象ごとに必要なサンプリングレートが異なります。

この技術の要点必要なサンプリングレートがノードごとに異なっていても、対応する2のべき乗系列のレートならサンプル時刻を周期的に揃えて、共通の時間軸で扱えます。

この図は、対応するサンプリングレート系列で低速側のサンプル時刻が高速側へ周期的に一致する関係を示す概念例です。利用できるレートはノード、チャネル構成、サンプリングモードによって異なります。
01

技術上の課題

振動は高速、温度やゆっくり変化する信号は低速など、測定対象によって必要なサンプリングレートは異なります。全ノードを同じ高速レートにすると、不要なデータ量と無線帯域を消費します。

02

MicroStrainの対応

対応する同期サンプリング(Synchronized サンプリング)設定では、ノードごとに異なるサンプリングレートを使いながら共通時刻基準でサンプルを管理できます。2のべき乗関係のレートでは、低速側のサンプル時刻が高速側へ周期的に一致します。

03

現場でのメリット

例えば高速振動と低速温度を、必要以上にデータ量を増やさず同じ試験の時間軸で比較できます。異なる種類の無線センサを組み合わせた多点計測にも有効です。

設計時に確認する条件

  • 利用可能なサンプリングレートはノードごとに異なる
  • チャネル構成によって使用可能なレートが変わる場合がある
  • サンプリングモードによってレート範囲が異なる
  • ネットワーク全体の帯域を超えないこと
  • LXRS/LXRS+の条件を確認
  • 多ノード構成ではsystem bandwidth calculator(帯域計算ツール)も活用

02 / LXRS & LXRS+

LXRS / LXRS+ ― 計測データの同期・信頼性・帯域を考える

無線計測では、接続できることに加えて、欠損パケット、時刻、共有帯域が解析品質へ影響します。

この技術の要点LXRS / LXRS+は確認応答と再送を使い、通信中に欠損したデータの回復と連続計測を両立させる設計です。

概念図:確認応答・再送によるデータ回復の考え方を示します。内部の厳密なパケット送信順序を示すものではありません。良好なRF設計とネットワーク容量の範囲で成立させます。
01

技術上の課題

2.4 GHz帯では、干渉・遮蔽物・反射などによってパケットが一時的に届かないことがあります。欠損したままでは振動波形やイベント解析へ影響します。

02

MicroStrainの対応

LXRS/LXRS+は確認応答と再送を使って欠損したデータを回復し、連続した計測データの取得を支えます。

03

現場でのメリット

振動・ひずみなどの連続波形でも、一時的な無線通信問題によるデータ欠落を抑えながら多点計測を継続できます。

設計時に確認する条件

  • ノード/ゲートウェイ/ファームウェア/動作モードのプロトコル対応
  • 必要帯域とネットワーク負荷
  • RF到達距離・見通し・干渉・再送余裕

03 / 帯域設計

高速振動を無線で測るときの帯域設計

ノードのサンプリングが高くても、複数チャネル・複数ノードのデータをゲートウェイへ送り続けられるかは別に確認します。

この技術の要点1チャネルの最大サンプリングではなく、サンプリング × チャネル × ノードを基本に、通信方式や動作モードも含めてネットワーク全体を設計します。

ノードの最大サンプリング ≠ ネットワーク全体の最大スループット

複数ノードのデータが共有帯域へ集まるため、サンプリング×チャネル×ノードで設計します。
01

技術上の課題

ノード数と有効チャネルが増えるほど共有帯域を使います。最高サンプリングという単一数値だけでは実運用構成を決められません。

02

MicroStrainの対応

WSDA-2000/WSDA-200-USBではゲートウェイ全体の最大スループットをLXRS 4 kHz、LXRS+ 16 kHzとして示し、個別ノードのレートと分けて扱います。

03

現場でのメリット

高速振動と多点計測の両立可否を早期に判断し、必要以上の設定を避け、ゲートウェイ数や配置を計画できます。

設計時に確認する条件

  • 必要な最高解析周波数
  • 有効チャネル数と同時ノード数
  • 通信方式(LXRS/LXRS+)と動作モード
  • ゲートウェイごとのスループット

04 / RF設計

工場で無線計測を安定させるRF設計

通信距離が短くても、金属、反射、周辺無線、機械ノイズ、アンテナ配置で通信品質は変わります。

この技術の要点RSSIだけでなくパケット到達率と周辺通信量を合わせ、実際の設置場所で評価します。

距離が近くても、干渉・反射・アンテナ配置で受信成功率は変わります。
01

技術上の課題

強いRSSIでも干渉やマルチパスでパケット欠損が起こる場合があり、カタログ到達距離を現場へそのまま適用できません。

02

MicroStrainの対応

到達距離試験やRF通信量解析を用い、直接経路、アンテナ、チャネル、送信出力、周辺通信を現場で確認します。

03

現場でのメリット

設置前に弱点を見つけ、ゲートウェイやアンテナの位置、チャネル、ネットワーク構成を根拠を持って調整できます。

設計時に確認する条件

  • 見通し・障害物・金属反射
  • Wi-Fi/Bluetooth/機械由来EMI
  • RSSI・パケット到達率・周辺通信量
  • 送信出力とバッテリーのトレードオフ

05 / 信号調整

ひずみ・荷重・圧力を無線化する信号調整

ひずみゲージやロードセルの微小アナログ信号は、増幅、フィルタ、A/D変換を含む測定チェーンで扱います。

この技術の要点センサ近傍の対応ノードで微小信号を整え、デジタル化して無線データへ変換します。

対応する増幅・フィルタ・分解能・入力回路は製品により異なります。
01

技術上の課題

微小信号を長いケーブルで扱うと、ノイズ、電圧降下、グラウンド、帯域の影響を受けやすくなります。

02

MicroStrainの対応

SG-Link/V-Link系は対象製品に応じたPGA、フィルタ、ADC、ブリッジ入力を備えます。機能は全ノード共通ではありません。

03

現場でのメリット

既存のひずみ、荷重、圧力センサを活かし、センサ近傍から無線計測へ取り込みやすくなります。

設計時に確認する条件

  • センサ出力/ブリッジ/抵抗/励起
  • ゲイン・フィルタ・アンチエイリアス
  • 必要サンプリングとチャネル数
  • 校正・電源・環境

現行製品

現行の無線ノードとゲートウェイ

現行の無線ノード

現行の無線ゲートウェイ

WSDA-2000の公式製品外観

無線ゲートウェイ

WSDA-2000

無線ネットワークをEthernet・USB・CAN・クラウドへつなぎ、遠隔アクセスと本体記録まで担うネットワーク対応 ゲートウェイ。

この製品を選ぶ主な理由
  • Ethernet・USB・J1939 CAN・RS-232
  • SensorCloud連携と8 GB本体記録
  • 最大127 ノードを同時接続
主インターフェース
Ethernet/USB 2.0/J1939 CAN/RS-232
注意条件
ゲートウェイ全体の最大スループットはLXRS 4 kHz、LXRS+ 16 kHz。個別ノードのサンプリングとは別です。
WSDA-200-USBの公式製品外観

無線ゲートウェイ

WSDA-200-USB

PCへUSB接続し、SensorConnectまたはMSCLから無線ネットワークを扱うローカル計測向けゲートウェイ。

この製品を選ぶ主な理由
  • USB 2.0でPCへ直接接続
  • SensorConnect/MSCLから設定・収集
  • 最大127 ノードを同時接続
主インターフェース
USB 2.0
注意条件
ゲートウェイ全体の最大スループットはLXRS 4 kHz、LXRS+ 16 kHz。
WSDA-101の公式製品外観

無線ゲートウェイ

WSDA-101

無線同期データを最大8チャネルの0–3 Vアナログ出力として既存DAQへ渡すゲートウェイ。

この製品を選ぶ主な理由
  • 最大8アナログ出力・0–3 VDC
  • USB接続で設定
  • 既存DAQやPLCのアナログ入力へ接続
主インターフェース
最大8チャネル 0–3 VDCアナログ出力/USB設定
注意条件
現行公式ページでLXRSを確認。LXRS+対応は断定しません。

公開事例

公開情報から無線計測の用途と構成を確認する

メーカー、顧客、公的機関、研究機関が公開した第三者情報を紹介します。Libero-Alterの導入実績を示すものではありません。

公開事例一覧を見る →
eVTOL開発試験と飛行制御を示す用途イメージ
メーカー公開事例

BETA TechnologiesのeVTOL開発試験と飛行制御

BETA Technologies

BETA TechnologiesのeVTOL試作機で、振動・ひずみ・温度をワイヤレス計測し、3台のGX5-25からピッチ、ロール、角速度を飛行制御へ入力したメーカー公開例です。

原文記載製品・技術
G-Link-200 / V-Link-200 / TC-Link-200 / WSDA-2000 / 3DM-GX5-25
出典と要約を確認する →
橋梁の長期モニタリングを示す用途イメージ
政府・公的機関の使用例

Connecticut州の橋梁長期モニタリング

Connecticut Department of Transportation

Connecticut州の橋梁でMicroStrainの無線ひずみ計測を長期運用し、障害とシステム更新を含む実務的な知見をまとめた公的報告です。

原文記載製品・技術
MicroStrain wireless strain monitoring system / WSDA / MXRS / SensorCloud
出典と要約を確認する →

比較

ノードとゲートウェイを、それぞれの役割で比較する

モバイルでは選定ツールと製品カードを主要導線とし、表は詳細確認用です。

無線ノード比較

無線ノード8製品の測定対象・チャネル・サンプリング・実装形態比較
製品主測定チャネルサンプリング筐体 / OEM信号調整主な選定理由
G-Link-200振動・衝撃・動き・傾斜内蔵3軸最大4 kHz完成筐体内蔵加速度計・派生値3軸加速度センサを内蔵
G-Link-200-OEM振動・衝撃・動き・傾斜内蔵3軸最大4 kHzOEM内蔵加速度計・派生値3軸加速度センサを内蔵
SG-Link-200ひずみ・荷重・圧力・アナログ3差動1~2ch使用時 最大1024 SPS、3ch同時使用時 最大512 SPS完成筐体PGA・フィルタ・24-bit3差動チャネルとブリッジセンサ対応
SG-Link-200-OEMひずみ・荷重・圧力・回転パルス差動1+単端1+デジタル1最大1 kHzOEMPGA・フィルタ・24-bit・派生値差動1・シングルエンド1・回転/パルス入力1
V-Link-200多チャネルアナログ差動4+単端4最大4 kHz連続完成筐体調整ゲイン・AAフィルタ・18-bit差動4+シングルエンド4入力
RTD-Link-200RTD・サーミスタ・抵抗6最大64 Hz完成筐体RTD・サーミスタ・抵抗RTD/サーミスタ/抵抗を6チャネル入力
TC-Link-200熱電対・温度12最大128 Hz完成筐体CJC・熱電対線形化熱電対/差動電圧を12チャネル入力
TC-Link-200-OEM熱電対・RTD・サーミスタ1最大128 HzOEMセンサ種類に応じた線形化・熱電対用CJC熱電対/RTD/サーミスタの1チャネル入力

無線ゲートウェイ比較

無線ゲートウェイ3製品のインターフェース・クラウド・CAN・アナログ出力比較
ゲートウェイホストインターフェースクラウドCANアナログ出力本体記録LXRS / LXRS+主な選定理由
WSDA-2000Ethernet/USB 2.0/J1939 CAN/RS-232SensorCloudJ1939 CANなし8 GBLXRS/LXRS+Ethernet・USB・J1939 CAN・RS-232
WSDA-200-USBUSB 2.0直接連携なしなしなしなしLXRS/LXRS+USB 2.0でPCへ直接接続
WSDA-101最大8チャネル 0–3 VDCアナログ出力/USB設定なしなし最大8チャネル/0–3 VDCなしLXRS確認済み最大8アナログ出力・0–3 VDC

16 kHzは対応ゲートウェイ/LXRS+構成のネットワーク全体の最大スループットです。WSDA-101はLXRS確認済みで、LXRS+対応は断定しません。

ソフトウェアとデータ

ハードウェアとソフトウェアを分けて構成する

ゲートウェイはハードウェアです。ソフトウェアは設定、収集、可視化、保存、プログラム連携を担います。

デスクトップ

SensorConnect

無線ネットワークの設定、データ収集、可視化、保存を行うデスクトップソフトウェア。

SensorConnect詳細 →
クラウド

SensorCloud

クラウドでの保存、可視化、解析。無線ではWSDA-2000の公式連携を基本に構成します。

SensorCloud詳細 →
API / ライブラリ

MSCL

無線ノード/ゲートウェイを自社ソフトウェアや自動計測へ組み込むためのプログラム連携。

HBK公式MSCL情報 ↗

対応製品、OS、言語、バージョンは変更される場合があります。利用時点のHBK公式情報をご確認ください。

よくある質問

無線DAQのよくある質問

無線化すればセンサ配線は全部なくなりますか?

無線ノードとゲートウェイ間の長い通信配線は減らせますが、外部センサと無線ノード間の配線、電源、アンテナ、取付けは必要です。計測点ごとの配線と電源条件を確認して構成します。

最大16,000サンプル/秒なら各ノードを16 kHzで測れますか?

いいえ。16 kHzは対応ゲートウェイとLXRS+構成におけるネットワーク全体の最大スループットです。個別ノードの最大サンプリング周波数とは別に確認します。

無線で複数の振動波形を同期比較できますか?

対応ノードでは同期計測を利用できます。同期仕様は製品と動作モードにより異なるため、対象ノード、ゲートウェイ、サンプリング設定を合わせて確認します。

工場内ではカタログの通信距離まで必ず届きますか?

いいえ。障害物、金属反射、Wi-FiやBluetooth、機械由来の電磁ノイズ、アンテナ配置で変わります。到達距離試験やRF通信量解析などを使い、実際の設置場所で評価します。

既存のひずみゲージやロードセルを無線化できますか?

SG-LinkまたはV-Link系を候補に、センサ出力、ブリッジ構成、励起、ゲイン、フィルタ、必要なサンプリングを確認します。

ゲートウェイはどう選びますか?

PCへUSB接続するならWSDA-200-USB、Ethernet・クラウド・CAN・本体記録が必要ならWSDA-2000、既存DAQのアナログ入力へ渡すならWSDA-101が第一候補です。

バッテリー寿命はどのくらいですか?

バッテリー寿命は、サンプリングレート、収集モード、RF送信出力、センサ励起、通信量、温度などによって変わります。一律の寿命値で判断するのではなく、実際の計測条件から見積もることが重要です。一例としてG-Link-200には、MicroStrain公式のバッテリー寿命計算ツールがあります。
G-Link-200 バッテリー寿命計算ツール(MicroStrain公式)
サンプリング条件や収集モード、RF送信出力などを変更してG-Link-200のバッテリー寿命を試算できます。

技術相談

測定対象から、ノード・ゲートウェイ・RF・保存先まで整理します

センサ種類、チャネル数、サンプリング、同期、設置距離、周辺無線、電源、受け渡し先が分かる範囲からご相談ください。未確定の条件も一緒に整理します。

無線計測の構成を相談する →
技術相談
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