TECHNICAL INFORMATION
予測と観測で姿勢・位置を推定する
センサフュージョンは、複数のセンサ値を単純に平均する処理ではありません。IMUで状態を高頻度に予測し、GNSS、速度、磁気など利用できる外部観測で誤差を補正することで、連続した姿勢・速度・位置推定を構成します。
このページでわかること
- IMUは高頻度の変化を追える一方、誤差が時間とともに蓄積する
- 外部観測は累積誤差を補える一方、更新周期や利用条件に制約がある
- EKFは予測と観測更新を繰り返し、状態と誤差を推定する

IMUと外部観測には異なる弱点がある
IMUは短い周期で運動変化を追えますが、ジャイロや加速度計のバイアス・ノイズを積分するため、IMUだけでは姿勢・速度・位置の誤差が蓄積します。
一方、GNSSや外部速度、磁気方位などは累積誤差を抑える手掛かりになりますが、更新が遅い、ノイズを含む、受信できない、外乱を受けるといった条件があります。センサフュージョンでは、それぞれの強みと弱みを組み合わせます。
EKFは「予測」と「観測更新」を繰り返す
予測では、直前の状態とIMUの角速度・加速度から次の状態を計算します。観測が得られると、予測値と観測値の差を使って状態と誤差を更新します。このとき、観測を一律に採用するのではなく、モデルと観測の不確かさを考慮して補正量を決めます。
外部観測が途切れても予測は続く
GNSSが一時的に使えない場合でも、IMUによる状態予測は継続できます。ただし、外部観測による補正がない時間が長くなるほど、IMUの誤差が推定結果へ蓄積します。信号断への強さは、IMU性能、運動条件、信号断時間、利用できる補助情報によって変わります。
MicroStrain製品で確認する項目
製品を比較するときは、推定器の名称だけで判断せず、必要な姿勢・速度・位置出力、利用できるGNSS・磁気・速度・方位などの補助情報、更新レート、時刻同期、座標系、設定可能項目を型式ごとに確認します。
設計・評価前に確認すること
- 必要な出力:姿勢、速度、位置のどこまで必要か
- 利用可能な外部観測と更新周期
- GNSSなどの観測が失われる時間と運動条件
- センサ間の時刻同期と座標系
- 取付位置・レバーアーム・初期姿勢の扱い
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FAQ
Q. EKFは複数センサの値を平均する処理ですか?
いいえ。状態モデルによる予測と観測を比較し、それぞれの不確かさを考慮して状態と誤差を更新する推定手法です。
Q. GNSSが切れても同じ精度を維持できますか?
同じ精度が維持されるわけではありません。外部観測がない間はIMU誤差の影響が蓄積するため、信号断時間と運動条件を含めて評価する必要があります。
必要な出力と補助情報から構成を整理する
姿勢・速度・位置、GNSS利用条件、更新レート、時刻同期などを整理し、候補製品と確認すべき設定を絞り込みます。
