測定目的
回転中の軸で、荷重がどう変わるかを知る。
回転軸のトルクを運転中に確認したい場合、軸表面のねじりひずみをひずみゲージで取得し、軸形状・材料特性・ゲージ配置または実荷重校正に基づいてトルクへ換算する方法があります。この構成例では、センサ近傍でブリッジ信号を計測して無線化し、回転体から固定側へ長いアナログ信号線を引き回さない構成を示します。
定常運転だけでは見えにくい過渡的なねじり荷重を確認します。
運転条件や負荷条件によるひずみ波形の変化を比較します。
必要に応じてRPM/パルス入力を追加し、回転条件と荷重を同じ計測系で扱います。
代表構成
代表計測構成
ひずみゲージのブリッジ信号をSG-Link-200-OEMへ入力し、WSDA-200-USBを介してPCへ収集する代表例です。SG-Link-200-OEMは、差動入力、ブリッジ回路対応、調整可能なゲイン/フィルタ、RPM・パルス用デジタル入力を備えています。
ブリッジ構成は対象軸に合わせて設計
約1 kHz サンプリング
USBでPCへ接続
校正後トルク・RPM相関
代表条件
代表条件と、選定理由
| 測定対象 | 回転軸のねじりひずみ |
|---|---|
| 外部センサ | ひずみゲージ/ブリッジ回路(軸・必要精度に合わせて設計) |
| 無線ノード | SG-Link-200-OEM × 1台 |
| 使用入力 | 差動アナログ1チャネルを代表例とする |
| 代表サンプリング | 約1 kHz/チャネル |
| 計測モード | 連続計測を代表例とする。用途によって定期バースト/イベントトリガも検討 |
| 無線方式 | LXRSを代表例とする |
| ゲートウェイ | WSDA-200-USB × 1台 |
| PCソフトウェア | SensorConnect |
| 代表ネットワーク負荷 | 1ノード × 1チャネル × 約1,000 サンプル/秒 = 約1,000 サンプル/秒 |
サンプリング設計
約100 Hzまでのねじりひずみ波形を見たい場合、約1 kHzを代表サンプリングにする。
設計の順番
- 計測したい帯域:本例は起動停止や周期荷重を含むねじりひずみの時間変化を概ね100 Hz程度まで比較する想定です。
- サンプリング:SG-Link-200-OEMの連続サンプリング上限内で約1 kHzとし、対象帯域に対して約10倍程度を確保する代表設計です。
- 信号調整:ゲージ、ブリッジ、ゲイン、フィルタ、取付け、軸の機械応答を含めて最終帯域を確認します。
- ネットワーク:1チャネル×約1,000 サンプル/秒なので、LXRSで扱う代表構成です。
データ → 判断
「得られるデータ」と「そこから分かること」を分けて考える。
起動・停止、負荷投入、定常運転など、時間とともに荷重がどう変化したかを確認できます。
波形全体を保存するほか、対応する派生値を使って状態を要約できます。
ホール効果センサ等を追加すれば、回転条件とひずみ変動の相関を解析できます。
軸形状・材料・ゲージ配置・校正条件を定義して、ひずみをトルクへ換算します。
定常値だけでなく、起動停止や急変時に発生する最大荷重候補を捉えます。
回転数や機械周期と対応する変動があるかを比較するための入力データになります。
ひずみ → トルク
ひずみ値だけでは、トルクは決まりません。
無線ノードが直接「万能なトルク値」を作るわけではありません。トルクへ換算するには、少なくとも軸の断面形状・寸法、材料特性、ひずみゲージの配置とブリッジ構成、ゲージファクタ、施工状態などを定義する必要があります。実機で既知トルクを与えられる場合は、実荷重校正によって計測系全体の換算係数を求める方法も有効です。
計測値・換算値・判断を分ける
- 計測値:無線ノードが取得したひずみ/電圧等の計測値
- 換算値:軸条件・校正式から算出したトルク
- 判断:許容値、疲労、異常判定など、機械設計・評価基準を含む判断
設置
回転体では、電気仕様だけでなく機械的な設置が成立条件になる。
ひずみゲージは、対象軸で捉えたいねじりひずみに対応する方向・ブリッジ構成で施工します。SG-Link-200-OEMは小型のOEMノードですが、「小型だからどの回転数でもそのまま軸へ載せられる」という意味ではありません。
ノード、配線、ゲージ、電源を含む全構成が回転による遠心荷重へ耐えられるかを確認します。
追加質量や取付け位置によって軸系のバランスや固有振動へ影響を与えないかを評価します。
金属構造による遮蔽、アンテナ方向、ゲートウェイとの見通しを実機条件で確認します。
無線化の意味
無線化の価値は、「ケーブルがない」だけではない。
固定側DAQへアナログ信号を引き出しにくい回転体では、センサ近傍で信号調整・A/D変換し、デジタル化した計測データを無線伝送することで計測系を構成しやすくなります。また、必要に応じて同じMicroStrain無線ネットワークへ別のノードを追加し、複数の荷重・振動・温度等を同一時間軸で扱う方向へ拡張できます。
よくある質問
よくある確認事項
100 Hz程度までのトルク変動を見たい場合、約1 kHzは妥当ですか?
ひずみの時間波形を比較する代表設計として、対象帯域に対して約10倍程度を確保できます。実際のトルク帯域・精度はゲージ施工、軸の応答、フィルタ、校正条件を含めて確認します。
回転数も同時に取得できますか?
SG-Link-200-OEMにはRPM/パルスカウント用のデジタル入力があり、ホール効果センサ等と組み合わせる構成が可能です。必要な角度分解能や回転数範囲に応じてパルス条件を設計します。
高速回転軸へそのまま取り付けられますか?
無条件には判断できません。ノード固定、遠心荷重、回転バランス、温度、電源、RF環境を含めて対象機械ごとに確認する必要があります。
公式根拠
