測定目的
橋梁・大型構造物の離れた測点を、同じ時間軸で振動比較する。
大型構造物では測点間の配線距離が長くなり、複数位置を同じ時間軸で比較することが難しくなります。本構成はG-Link-200を8測点へ設置し、各3軸を128 Hzで同期取得する代表例です。構造物の応答波形や代表的な低周波成分を比較するための計測系を示します。
橋脚、桁、床版など離れた位置の応答差を同じイベントで比較します。
通過荷重や外乱に対する応答の時刻差・位相差を解析するための入力を揃えます。
測点ごとのスペクトルや卓越周波数の違いを比較します。
代表構成
G-Link-200を8測点、3軸×128 Hzで同期取得する。
各位置3軸
同期取得
3,072 サンプル/秒
測点間比較
代表条件
約10 Hz級までの構造振動を多点比較するため、128 Hzを代表サンプリングにする。
| 無線センサ | G-Link-200 × 8台 |
|---|---|
| チャネル | 8測点 × 3軸 = 24軸 |
| 代表サンプリング | 128 Hz/軸 |
| 合計データレート | 8 × 3 × 128 = 3,072 サンプル/秒 |
| 無線方式 | LXRS |
| 振幅・波形形状の主要帯域目安 | 約12 Hz以下 |
サンプリング設計
約10 Hz級までの構造応答を比較するなら、128 Hzで多点同期する構成が組みやすい。
設計の順番
- 計測したい帯域:本例では橋梁・大型構造物の代表的な低周波応答として概ね10~12 Hz程度までを主要帯域に置きます。
- サンプリング:128 Hzはその帯域に対して約10倍程度となり、時間波形・振幅比較の代表設定です。
- 多点数:8台×3軸×128 Hz=3,072 サンプル/秒となり、LXRSの4,000 サンプル/秒以内に収めます。
- 高次モード:より高い周波数を見たい場合は、必要帯域に合わせてサンプリングを上げ、ノード数とゲートウェイスループットを再計算します。
FFTの周波数分解能はサンプリングだけでなく観測時間や窓関数にも依存し、位相・コヒーレンス等では測点間同期も重要です。
データ → 判断
「振動データ」と「構造健全性の判定」を分ける。
通過荷重・風・作業イベント等に対する各測点の応答を確認します。
測点間で卓越周波数やスペクトル形状を比較します。
同一イベントに対する立上がりや位相関係を比較する入力になります。
損傷・安全性・健全性の判定には、構造モデル、基準値、環境補正等を別途組み合わせます。
設置・RF
大型構造物では、測点の意味と無線経路を両方設計する。
センサは構造応答を適切に伝える剛性のある位置へ取り付け、方向を統一して記録します。鋼材・コンクリート・車両等による2.4 GHzの遮蔽や反射、ゲートウェイとの距離、アンテナ方向を現地で確認します。測点を増やす場合はRF品質とネットワークスループットを別々に評価します。
FAQ
多点構造振動の注意点
10 Hz程度までの構造振動を見たい場合、128 Hzで十分ですか?
時間波形の比較を目的とする代表設計としては、対象帯域に対して約10倍程度のサンプリングを確保できます。ただし高次モードや局所振動を見たい場合は、その最高周波数からサンプリングとセンサ帯域を再設計します。
8台より増やせますか?
本ページの8台は代表値です。ノード数、各軸サンプリング、無線方式、RF環境を含めてゲートウェイあたりのスループットを再計算します。
このデータだけで橋の安全性を判定できますか?
できません。振動データは判断材料の一つであり、健全性評価には構造設計、基準、環境条件、長期傾向、他の計測等を組み合わせます。
技術相談
測点数と見たい最高周波数から、多点同期計測の帯域を組みます。
公式根拠
