TECHNICAL INFORMATION
バイアス不安定性・ランダムウォークとの違い
IMUの誤差用語は似ていますが、表している現象と評価方法が異なります。一定のずれ、時間とともに変わる低周波成分、ランダムな揺らぎを分けて見ると、姿勢・速度・位置への影響を理解しやすくなります。
このページでわかること
- バイアスは平均的な出力ずれ
- バイアス不安定性は時間変動の一側面
- ランダムウォークはランダムノイズを積分した誤差成長と関係する

似た誤差用語が別の現象を表す
バイアスは、センサが静止していてもゼロからずれて出力される平均的な偏りです。角速度にバイアスが残ったまま姿勢を計算すると、その誤差も時間積分されます。
バイアス不安定性は単純な固定ずれではなく、時間が経つ中でバイアスがどの程度安定しているかを見る代表的な指標です。ランダムウォークはランダムなノイズ成分と、その積分による誤差成長に関係します。
時間波形・単位・評価時間を分けて読む
定性的な概念グラフです。実際のバイアス不安定性やランダムウォークは、定義された統計方法・単位・評価時間で比較します。
仕様値を比較するときは、ジャイロと加速度計を分け、単位、評価時間、平均化やフィルタ条件まで確認します。異なる条件で求めた数値をそのまま大小比較すると、性能の意味を取り違える可能性があります。
なぜ積分すると誤差が目立つのか
IMUでは角速度を積分して姿勢変化を求めます。INSではさらに姿勢を使って加速度の方向を変換し、重力を補正したうえで速度・位置を更新します。そのため、ジャイロの小さな誤差が姿勢誤差へ成長し、加速度の投影誤差を通じて速度・位置へ波及することがあります。
MicroStrain IMUの仕様を読む
現行3DM-GV7-INSでは、公式仕様としてジャイロのバイアス不安定性 1.5°/hr、ランダムウォーク 0.2°/√hr、全温度範囲での校正が示されています。これらはそれぞれ別の性能指標であり、「1.5°/hrだから位置誤差が何mになる」と単純換算することはできません。
製品選定では、バイアス不安定性だけでなく、ランダムウォーク、ノイズ密度、測定レンジ、温度校正、振動条件、推定アルゴリズム、必要な出力周波数を用途ごとに分けて確認します。
設計・評価前に確認すること
- 対象センサがジャイロか加速度計か
- 仕様値の単位・評価時間・平均化・フィルタ条件
- 静止姿勢の安定性を見たいのか、航法中の誤差成長を見たいのか
- 温度・振動・外部補助情報など実使用条件
関連記事
FAQ
Q. バイアスが小さければ位置精度も必ず良くなりますか?
いいえ。姿勢・位置性能には加速度計誤差、温度、振動、初期条件、外部補助情報、推定演算なども影響します。
Q. バイアス不安定性とランダムウォークはどちらが重要ですか?
用途と時間スケールによります。両方を別の指標として確認する必要があります。
Q. 出力周波数が高いほどバイアスは小さくなりますか?
いいえ。出力周波数とバイアス安定性は別の性能指標です。
用途と評価時間から仕様を整理する
必要な精度、温度・振動環境、GNSS利用条件、評価時間を整理し、比較すべき誤差仕様と候補製品を絞り込みます。
